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三菱UFJ証券個人情報流出事件の不可解

 同証券の顧客情報が流出し、顧客名簿を名簿業者に売った44才の部長代理が逮捕された。
 持ち出した顧客情報の数は148万6651人。このうち約5万人分を業者に渡したものの、この部長代理が受け取った報酬はたった33万円だとか。
 ばかな話だよなあ。それにしても顧客情報にアクセスできる行員が何人いて、この部長代理がどうやってアクセスしたかといった話は、あまり意味がないのでは? だって、どんなセキュリティも、悪意のある内部者には所詮、通用しないんだから。
 顧客情報を流出させてしまった会社として、原因究明と対策を講ずる姿勢を見せるのは当然としても、顧客流出だけではなく社員による犯罪を全てシャットアウトすることは不可能なんだよ。ミスは防ぐことはできても、悪意で行われる内部犯罪を防ぐことはできません。
 それにしても不可解なのは、この部長代理氏の動機です。
 たった33万円。
 分別もあるはずの44才。証券の部長代理なら、たぶん年収は一千万円前後でしょ。
 そんな男が、なぜそれだけの安値で、人生を売り渡したのかがわからない。
 ちなみに、M&Aの現場では「もし年収一億円以上の顧客データを三千人も持っていたら、一人あたり一万円ぐらいの価値にはなる」(『いざとなったら会社は売ろう!』岡本行生著ダイヤモンド社)。この名簿代金は安すぎる(値段が妥当だとすれば、氏名・住所・電話番号だけといった基本情報に限定されたものか)。
 単なる小遣い稼ぎ程度に考えていたのならあまりにもお粗末な話だけど、本当にそうなのかな。
 44才で部長代理といえば、そう出世しているほうではないし、この部長代理氏が合併吸収前にどの旧会社にいたかはわからないけど、ストレスも相当あったんじゃないの?
「ちきしょう、この野郎」
 と思う上司もいたと思うんだな。もしかすると、それは経営のトップに対しての思いかも知れない。
 しかもこの不景気。出世の見込みもなければ、リストラの脅威にもさらされていた男が、やり場のない不満を抱え、将来を悲観していたとしてもおかしくはない。
 もしかするとこの部長代理氏の本当の動機は、三菱UFJ証券に損失を与えることにあったのではないか!?
 そう考えるとなんとなく納得できてしまったり・・・・。
 同証券は、顧客情報が持ち出されたリストのうち、実際に業者に転売されるなどした5万人に1万円の補償金を支払うらしい。金融庁の業務改善命令なんてのは業界内の話だからどうでもいいとして、信用失墜による経営打撃は計り知れない。であればこの犯罪の目的は達成されたのではないか!? 
 それにしてもいつも、被害に遭うのは一般の人たちです。ノイローゼになった人もいるっていうのに、ひとり一万円ってどういう根拠ですか。カネ払えばそれでいいのか。

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